海外のスポーツ選手がオリンピックなどで優勝し、ガッツポーズをしたり、涙を流したりしている映像が流れると、私たちは「あの選手は喜んでいるんだな」とか、「感激しているんだな」とかを自然と感じることができます。

国や言語が異なっていても、身振りや表情から相手の感情を理解することは可能です。

これは、私たちの普段の会話でも同じことが言えます。

アナウンサーがニュースを読み上げるような口調で「愛してる」と誰かにさらっと言われるよりも、情感たっぷりの甘い声でささやかれた方がキュンとくるでしょう。

これらのことは、コミュニケーションにおいて最も重要なのは「会話の内容」ではないということを教えてくれます。

NLPの創始者の1人であるリチャード・バンドラー博士は「コミュニケーションは9割が『非言語』の情報であり、1割が意味を持つ言葉である」と述べています。

一般的なコミュニケーションにおいて、私たちは表情や動作、声のトーン、大きさなど、口から発せられる意味のある言葉以外の「非言語」の部分から、多くの情報をキャッチしています。

たとえ言葉が通じ合えなかったとしても、感情や思いのやり取りができる「非言語」の情報を上手に相手に見せることで、「親近感」を演出し、質の高いコミュニケーションを築くことができるのです。

今回はその方法の1つとして、“ミラーリング”という方法をお伝えしますので、ぜひ活用してみてください。

相手の真似をしていくことで、信頼関係が構築できる?

相手と信頼関係を構築するために、相手の仕草や姿勢を真似してしまう方法があります。
まるで鏡で映したかのように表現するので、これを「ミラーリング」とNLPでは呼んでいます。

話をしている相手の鏡になったつもりで足や腕を組んだり、同じように頷いて観たり、相手が髪を触ったら自分も触ってみたり、真似できることを取り入れていきます。

ただし、あまりに露骨に行うと、信頼関係を構築するどころではなく、不審に思われるので注意が必要です。

目に見えている相手の「非言語」の情報をしっかり観察(=キャリブレーション)して、自然な動作で相手に合わせていきましょう。

なぜ相手の真似をすることで「信頼関係」を構築できるのか?

私たちは「この相手は信頼できるな」と感じたとき、いつも同じような状態になります。

そう感じているときに共通しているのが、常に心が開いている状態にあること。

人は、安全だと感じる人に心を開きます。

本能として、「安全・安心」を求め、「危険」を避けようとするからです。

では、何を尺度に「安全」よ「危険」を決定しているのでしょうか?

答えは簡単で、「よくわかっているかどうか」なのです。

本能的に人は暗闇や全く情報がない未開の地を恐れます。

これは手の打ちようのない状態で、全くコントロールを失っているからです。

環境に翻弄される弱い立場に置かれるので、自己防衛本能が身体全体を支配します。

これは極めて強い緊張状態です。

いつ襲われても対処できるよう外部に意識が向かっていて、眠ることすらできないかもしれません。

初めて会社を訪問したり、知らない人たちが集まるコミュニティに参加したりする時も多かれ少なかれ緊張します。

逆に、どんなに仕事で緊張を強いられても、自宅で家族に迎え入れられたらホッとします。家族もその周囲の環境も、よく分かっているからです。

よく知っているから「安全・安心」を感じ、「親近感」があるのです。

相手の仕草や態度を鏡のように真似する「ミラーリング」を行うことで、相手の目に映る自分の行動は、相手にとってよく知ったものばかりになります。

そうすると、相手は安心します。

この安心感を積み重ねていくことで、心を開くことができ、「信頼関係」が築かれていくのです。

「ミラーリング」の具体的な方法

ポイントは、相手と鏡合わせになったかのように仕草や姿勢を合わせることです。

以下に注意しながら行ってみてください。

・姿勢や手足の位置

さりげなく顔の傾きを揃えたり、テーブルの上の手の位置をそっと同じにしたりするなどして、相手と鏡合わせの状態になるよう話を聞く姿勢、首の傾け方、手や足の組み方を合わせていきましょう。

・動作

動きのリズムを合わせると自然な感じになります。

相手の手振りに合わせて頷くのが有効的です。

NLP(神経言語プログラミング)一覧に戻る