催眠療法とは何か、それに伴うリスクをご理解いただきましたら、実際に催眠療法で何をするのかをご紹介したいと思います。

まず、何を置いても必ずしないといけないこと、それは催眠誘導です。

ステージ催眠であれ、催眠療法であれ、誘導なくして相手を催眠状態に導くことは困難です。(NLPや鬱状態を除きます。)

どのような誘導が催眠療法には効果的なのでしょうか。

催眠療法とステージ催眠

まず最初にステージ催眠と催眠療法の誘導の違いを理解する必要があります。

この2つの催眠術師の立場の違いを理解するということです。

ステージ催眠術師はあくまでもエンターテイナーであり、術師の体の動き、表情、話し方、声の大きさ、仕草、話術、ショーマンシップが非常に重要です。

これらが参加者の「催眠術にかかろう」という気持ちを大きく左右するからです。

反対に催眠療法士は同じ催眠術師でも医療従事者であり、人の精神に対する知識、各病気の症状とメカニズムの知識、薬の作用、副作用の知識を踏まえた上で、慈愛、助けたいと言う気持ちと催眠中に起こる得る現象の知識が重要になります。

これらが患者の「催眠術の力を借りて少しでも良くなりたい」という気持ちを大きく左右します。

関連ページ:催眠術師が催眠術をかける流れ

感情的傾向と身体的傾向

催眠を誘導するにあたり、理解しておくと後々誘導が効率的に出来る知識があります。

人の精神には感情的傾向と身体的傾向という二つの傾向があります。

患者の傾向が分かれば、それに見合った誘導方法を実行することでより効果的に患者を催眠状態に導きます。

時間短縮も図れるので、実際の「療法」部分に多くの時間を費やすことが可能になります。

感情的傾向とは催眠状態をあまり自覚出来ない人です。具体的に言うと、催眠療法士が導く世界の景色が目の前に見えるのではなく、頭の後ろで「想像」する人です。

このタイプの人は催眠状態を体の五感で感じることがないので、本人は催眠術にかかっていないと思う人が殆どです。

反対に身体的傾向は催眠状態に入るとまるでその場に自分が居るように五感で感じることが出来ます。

このタイプの人には催眠麻酔などを効果的に使うことが可能です。

催眠療法で使う催眠誘導

催眠誘導の基本的なコンセプトはステージ催眠と変わりありませんが、ステージ催眠と違い時間をかけて心身共にリラックスさせ脳波の回転を遅くすることを目的とします。

催眠療法にはシータ状態の脳波サイクルが理想的です。

しかし、最初からシータに入れる人は少なく、アルファでも十分施術は可能なのでまずアルファを目指しましょう。

反対にデルタまでいくと催眠昏睡になりますので施術が効きません。

感情的と身体的両方の傾向に効果が表れるように、注視点や体の一部を使った誘導方法(ステージ催眠で使われるものに近い)と目を閉じた状態でリラックス感を増幅させる誘導の両方を使います。

体に触れられるのを嫌う人が多いので、私は注視点を使った誘導から始めて、目を閉じた時点でリラックスさせる誘導を行います。

慣れない人にはセッションの半分を誘導に費やすことも多々あります。

エンターテイメントではないので、時間を掛けて患者がアルファ又はシータ状態になるまで誘導を続けます。

リラックスさせる誘導

  1. カウントダウン、階段を下りる:「身体(意識)が下に降りていく」という感覚を誘発するもの (身体的傾向に有効)
  2. コンフュージョンテクニック:相手の「意識」が混乱するような誘導方法で、右へ曲がったと思ったら左へ曲がったり、全く違う事柄を途中で入れたり、「何を言っているの?」と思わせるものです。(感情的傾向に有効)

どうすれば患者が催眠状態に入ったと分かるのでしょうか。

患者が慣れてくると観念運動性テクニックを使うと楽ですが、これはシータ状態では使えないことが多いので、誘導している間、患者の表情、体の位置、息遣いなどを注意深く観察します。

そうすると自然と患者がリラックスし始めたことが分かるようになります。

不思議な話ですが、患者と精神レベルで繋がり、自然と分かるようになります。

CDと自己催眠を活用する

催眠療法は1時間半から2時間が理想的で、症状によっては1回の施術で問題が全て解決します。

私達催眠療法士は早期問題解決を目的としますので、1回で治療が終わることを目的としましょう。

また、通常最初のセッションで10~15分の短い催眠CDを渡します。(自分で録音したもの)これは患者が治療を複数回続ける時に非常に役立ちますので必ず渡すようにしましょう。

まず、自分の声と話し方に慣れてもらう、そしてそれらを催眠と結びつけることで、次回の施術では誘導時間がかなり減ります。

また、あなたのオフィスを出る前に、簡単な自己催眠方法を伝授すると良いでしょう。

催眠は繰り返し、慣れが非常に大きな効果をもたらすので、患者の潜在意識を催眠に慣れさすことが大切です。

早期治療、回復を実現する為に使えるテクニックを総動員させましょう。

関連ページ:自己催眠(自己暗示)のやり方 | 心と環境の準備と暗示文を紹介

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